思い出の夏

 昨日、残りわずかとなった
根子岳手ぬぐいを商品にするために、
点検しながら、くず糸を切って、
折り畳んで、帯を巻いて、袋詰めしました。

この手ぬぐいを作ったきっかけは、
根子岳風力発電計画が持ち上がったからでした。
ただ反対していてもどうなる
かわからないという不安があったり、
反対運動を一生懸命やると地域の溝は深まるし、
でも、何かしたいという思いがあり、
根子岳を大切に思うことを形にしてみました。
あの風力発電反対をしていた5年間は、
今思い出しても、ここに住むようになって
一番辛い出来事だった気がします。

手ぬぐいのデザインはお客さんで、峰の原ファンの
テキスタイルデザイナーさんに、
この帯の文字は、夏に1月滞在しておられた
お客様にお願いしました。

販売も、峰の原大好きな地元の皆さんに
手伝っていただきました。

作業をしていると、
あの頃のことが次々と思い出され、
目頭が熱くなってしまいました。
歳ですねぇ・・・

根子岳手ぬぐいを頭に巻き、
夏は毎日のように外に出て
山野草のお世話をなさっていた
根子岳と峰の原の自然を誰よりも
愛されていたこの方は去年亡くなられ

文字を書いてくださったこの方も
今年は、もう長旅はできず、
ご自宅で夏を過ごされるとお葉書が届きました。

若い頃、夏は明るい太陽のイメージでしたが、
この頃は、その明るさゆえの寂しさも
感じられるようになりました。

日本にとって、
8月は追悼の季節でもありますものね。