東京で椎茸?

久しぶりに上京、日帰りで。
コスタリカの知人が椎茸栽培を見学したいということで、
おつき合いいたしました。

待ち合わせたJR八王子駅、平日なのに人がいっぱい。
「いやぁ、やっぱり東京はすごい」と
思って辺を見回したら、
こんなタヌキ(なんで「たき坊」なんだろ)が、
愛嬌ふりまいてました。
何でも、今はゆるキャラグランプリ?開催中だとか。
エントリー制みたいですが、
長野県のアルクマもエントリーしてるようですよ。
人ごみの中写真を写すのに苦労したのですが、
ピンぼけ…

そして、再開発ビルが建ち並ぶ駅近くに、
こんなマニアックな研究所がありました。

そして、コスタリカと日本の椎茸栽培意見交換会。

やっぱり現場を見なくちゃと、
なぜか多摩ニュータウン方面へ。
なんとなんと、
八王子は東京都の中では椎茸生産トップですって。

高層マンションもあるような住宅地の真ん中で、
まさかの椎茸原木栽培。

私、昨日の今日ですからまだ頭の中は椎茸でいっぱい。
椎茸原木栽培のこと、今なら、聞いて、聞いて!
これはですね、
夏向き栽培の種類を30度くらいに
保って寝かせているところ。
冬向きは覆いをせずに外で寝かしています。

そして地下水ほぼ16度に20時間ほどつけまして

椎茸のほだぎの使用済み材木を使うボイラーでお湯を沸かして、
(寒くなってきたら)床暖房にした部屋で
約1週間で、出荷できる椎茸ができるのです。
これは2日目くらいかな。
勝澤さんのお宅ではホダギは三角に組んでありましたが、
それぞれの栽培農家の好みだそうです。

実はね、松茸もそうですが、
きのこは開ききった時が一番香りがいいそうですよ。
でも市場に出る時はかたい状態でないと
いいお値段で買い上げてもらえないそうです。
流通にのせるとそうなりますよね、
しかたないことかもです。
勝澤さんは、二代目だそうですが、
ずっと直売所やお得意さん、自然食品屋さんなどに
下ろしているとのことでした。


山にもホダギを並べているそうですが、
現在はこどもたちにや関心のある皆さんに体験してもらう程度で、
今はこの住宅地のなかで、
梅を植えたり、ブドウ棚を作って
雑木林に似た環境を作り栽培しているそうです。
小梅も出荷しておられるそうで、
小梅の出荷は1週間が勝負所で大忙しだそうです。
もちろん無農薬栽培。

菌を打ち込んだホダギはここで数ヶ月寝かし、
ホダギの水分を抜いて菌が入りやすくし、
菌を育てながらホダギを枯らしていくという、
複雑かつ繊細な作業をするそうです。
原木栽培のいいところは、
大きく三つあると仰ってました。
*安心安全
*里山の保全、自然の循環にかなう
*歯ごたえ、味がいい


こんなに熱心に椎茸栽培に取り組んでおられる勝澤さんなので、
福島原発の事故後とても神経を使っておられます。
この傷は原木の放射能の量を測定するために、
おがこを採取した後です。

そして事故後一番大きな問題は、
椎茸の原木は大半が福島で生産していたことです。
福島で丸太を生産していた業者の方も、
椎茸栽培農家の中には
経営が立ち行かなくなっているところもあるそうです。
その上、原木の便乗値上げも一部にあるようですし、
本来はコナラがいいのですがミズナラで我慢するなど、
色々な支障が出ているそうです。

菌が定着したと判断する基準を見せてもらいました。
白いのは菌糸ですが、この状態ではまだ早く、
左に見えるようなオレンジ色っぽくなってくると良いそうです。
うーん、椎茸栽培、奥が深い。
椎茸を見る目が変わりました。